株主優待のピークは多くの上場企業の決算期が集中する3月末といわれる。新年度を迎え、今さら株主優待といわれても「遅い」と思われるかもしれないが、実はそうではない。
かつては3月末と9月末に株主優待の権利が確定する「権利確定日」が集中していたが、最近は分散傾向にあり、4月以降でも株主優待がもらえる銘柄が存在する。しかも、ピークを過ぎて閑散期を迎えたことが「多くの人が気づいていないので狙い目」とファイナンシャルプランナーの丸山晴美氏は見る。
「3月末に優待がもらえる銘柄が808社あるのに対し、4月は26社、5月は33社、6月は106社と数は多くありません。しかも、人気の高い3月の優待銘柄は長く保有する人が多く、少しでも安くなったら買いたいという人もいるため、株価の“仕込み時”が訪れにくい。それよりも4月以降に権利が確定する銘柄の中にはまだ株価に割安感があり、優待内容も目を引く“隠れた優良優待株”があるので、まさに穴場といえます」
株主優待の権利を手にするためには手続き上、権利確定日の3営業日前の「権利付き最終日」に決められた最低株式数を保有しておく必要がある。権利確定日は月末が多く、今年の権利付き最終日は4月なら24日、5月なら28日、6月なら26日となり、その時点で株を保有していれば優待がもらえる。そのため人気銘柄では権利付き最終日に向けて買いが集中する傾向にある。
一方、権利付き最終日時点で株を保有していれば、翌日に売ったとしても権利は確定するため、その翌日は「権利落ち日」と呼ばれ、株を手放す投資家も少なくない。
実際、3月の相場全体で見ても、ピークだった権利付き最終日の3月27日の日経平均株価の終値2万1317円から権利落ち日の翌28日には2万1031円へと下がっており、少なからず影響を及ぼしている。