高収入世帯が数多く暮らす港区麻布界隈。そこに住む「麻布妻」たちは、日々、マウンティングを繰り広げているという。夫は外資系金融勤務で年収数千万円、1歳の子供を持つアラサー美人主婦ライターで「麻布妻」の1人である高木希美氏が日本の富裕層女性たちの実態をリポートする。
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「ほんとに頭きたんだけど!」と、近所に住む麻奈さん(仮名、以下同じ)が怒っていました。麻奈さんの息子さんは少し長い距離が歩けるようになってきたので、麻布十番近くから六本木ヒルズまでお散歩するのが日課だそうです。
ある時、ヒルズ内を歩いていたら、若いカップルの女性から「てかさ~子供とかわざわざこんなとこ連れてくんなよ。邪魔~」と言われたとのこと。
「わざわざ来てるのは田舎者のあんたたちでしょ? って思うの私だけ? だってこっちは住んでるんだけど。ただの近所の散歩コースじゃない?」
「わかる。うちも檜町公園(東京ミッドタウンに隣接する公園)のあたりからずーっと歩いてたら、おばさんたちに、『わざわざこんな都心まで連れてこられて、坊やかわいそうにネ~』って言われたよ! 自分たちが電車で遠くからわざわざ来てるからってさ。私、『あいにく、近所に住んでるんで』って言い返しちゃったもん」
そう共感したのは奈緒さんです。麻奈さんが続けます。
「このへん住んでる私たちに大口叩くならさ、区民税払ってから歩けよって感じなんだけど。私たち、区民税払って歩いてますよ。あなたは何区? むしろ何市? ってレベルでしょ~」
2人は笑い合っていました。「区民税払ってから歩け」はさすがにびっくりする発想です。ところが、この「港区外から来た人」にマウンティングする2人に、さらにマウンティング発言をしたのは温子さんです。