投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が5月21日~5月25日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げ継続の方針を堅持する一方、他の主要中銀は金融引き締めを急がないことから、米国との金利差拡大を背景にドル選好地合いは継続するとみられる。ただ、中東情勢の悪化に警戒が広がれば、リスク回避的なドル売り・円買いが強まる展開も想定したい。
FRBは今年3回ないし4回の利上げを行なう可能性が高いこと、長短金利差の逆転現象は起きないとの見方が多いことから、米10年債利回りは3%を上回る水準で推移している。23日に公表される5月1-2日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で6月利上げが確認できれば、それを織り込むドル買いが強まりそうだ。ただ、利上げペースの加速についてはFOMC内でも見解が分かれており、足元の経済指標は堅調な内容が目立つものの、金利上昇は経済成長の鈍化につながるとの景気認識が示された場合、リスク回避的なドル売りにつながる可能性もある。
地政学リスクに対する市場の警戒感は消え去っていないこともドル上昇を抑える要因となる。特に中東情勢の悪化は、今後の懸念材料となろう。トランプ政権はイスラエルの首都をエルサレムと認定し、イスラエルはパレスチナ、あるいはイランとの対立が激化している。イラン核合意の米国の離脱問題もあり、地政学リスクの増大が懸念されている。また、北朝鮮が南北閣僚級会談の突然の中止を表明したことで、来月12日開催予定の米朝首脳会談に不透明感が広がっている。北朝鮮が首脳会談の延期を通告した場合、リスク回避の円買いでドルの上値は押さえられる可能性もある。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(23日公表予定)
5月1-2日開催のFOMC議事要旨では、6月利上げと利上げペースの加速に関する手がかりを得られるかがポイント。会合後の声明よりも追加利上げに前向きな内容ならドル買いを誘発しよう。
【米・4月耐久財受注】(25日発表予定)
25日発表の4月の米耐久財受注は前月比-1.4%と、前月の+2.6%を下回るものの、輸送用機器を除く受注は同+0.1%から+0.5%に改善する見通し。市場予想を上回った場合は、ドル買い材料になる。