子供に健全な金銭感覚を身につけてもらうために大切なのが「お金教育」。欧米では、ほとんどの学校でお金教育のカリキュラムが組まれているが、日本では家庭で親がどう教えるかが重要になる。
小学生で始めたいお金教育が「おこづかい制」。どう使い、どう管理するか、お金の基本がすべて詰まっている格好の“教材”だ。
おだちん制で始めて定額制に移行が理想
「おこづかいといっても、あげ方にはいろいろあり、主に、おだちん制と定額制があります。日本では“月に500円あげる”などの定額制が一般的ですが、理想としてはまず、“お手伝いをしたら100円あげる”などのおだちん制で始め、その後、子供がお金の使い方や価値をわかってきたら、定額制に変更するのがおすすめです」(ファイナンシャルプランナー・竹谷希美子さん)
なぜなら、まず報酬を“稼ぐ”体験をさせることに価値があるからだという。就学前までの子は、お金は無尽蔵にあるものと思っていることが多い。しかし、働かないともらえない、がまんしないと貯まらない、使うと限りがある、ということを、おだちん制の方が、経験として理解できるのだ。ただ、ずっとおだちん制にしていると、お金をもらわないと動かない子になる危険性もあるという。
「私には娘と息子がいますが、彼らが小学4年生の時に、それまでのおだちん制から、家事を手伝うのを条件に、毎月決まった額を渡す定額制に変えました」(竹谷さん)
これが功を奏し、お金がもらえるからやる子にはならなかったという。では、いくらあげればいいのだろうか。
「いくら渡すかは家ごとに決めていいと思います。友達とおこづかいの額が違うということを知るのも勉強になりますから」(竹谷さん)