元国税調査官でベストセラー『やってはいけない老後対策』著者の大村大次郎氏が老後資金対策で注目するのは、「人生100年時代」といわれる超長寿時代を見越した「とんちん年金」だ。
死亡保障を減らすことで、生きているうちに受け取れる年金額を増やす仕組みで、50代なら10年以上の払い込みで原則、一生涯年金を受け取ることもできる。
50歳から加入でき、受給開始年齢は60~90歳の範囲で契約時に選択できる。50歳で加入し70歳から受給を開始すると、90歳前後まで生きなければ元を取ることができない。
“早死にしたら損”ともいえる仕組みの年金だが、大村氏は「老後生活で、安心感を得たい人にとっては有力な選択肢」と指摘する。
「“平均寿命”や“損益分岐”といった考え方はあくまで目安にしかなりません。“あなた”が何歳まで生きるかは、誰にもわからないのですから。長生きリスクに不安を感じ、ハイリスクな老後対策に走ってしまう危険を考えれば、“安心”を得られる意味は大きい」
※週刊ポスト2018年6月22日号