本来なら一つしかないはずの「元祖」が複数、存在することがある。こうした「元祖」が乱立しているのが、博多の長浜ラーメン。「屋台も含めて、そこらじゅうに『元祖』がある」(福岡県民)という。
際立つのが、約150メートルと“スープの冷めない距離”にある「元祖長浜屋」と「元祖ラーメン長浜家」だ。
「長浜屋」が店を構えたのは1974年、「長浜家」は2009年。明らかに後発の「長浜家」は、なぜ「元祖」を名乗るのか。
「『長浜家』はもともと、『長浜屋』で働いていたメンバーで始めました。お客さんもどうせなら『元祖』に行きたいし、似た感じの名前にした」(店長・松本忠芳氏)
博多語での元祖は、箔をつけるための修飾語なのか。
※週刊ポスト2018年6月29日号