「貯蓄できる人」は、公的な制度をしっかり使って補助金などを受け取り、レジャーでも割安なイベント情報などを集めて節約している。では、どうやってそうした情報を集めるべきなのか。新刊『ほったらかしでもなぜか貯まる!』を上梓したファイナンシャル・プランナーの風呂内亜矢氏が解説する。
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お金をうまく貯められる人は、情報の使い方が上手です。特に公的な制度を利用してもらえるお金や、戻ってくるお金については、その制度を知っているか知らないかというだけで大きな差が出ます。
例えば、江戸川区では「乳児養育手当」という制度があり、0歳児のいる家庭では児童手当とは別に「月額1万3000円」をもらうことができます(所得制限など条件あり)。実に、12か月で15万6000円です。
また、所得税の制度では省エネ、バリアフリーのためのリフォームを行う場合、5年間で最大62万5000円の所得税が減税される制度があったり、介護保険の制度では手すり設置などのリフォームをすれば最大18万円の助成を受けられたりします(ともに一定の条件あり)。
いずれも制度を知らずに申請しなければもらえないのですから、「情報」がいかに重要かがわかると思います。ではこうした“お得情報”を効率的に得るためには、どういった方法があるでしょうか。
もっともオーソドックスなのは、マイナンバーカードを作成し、内閣府が作成した「マイナポータル」で検索する方法。自分が利用できる助成金を検索したり、一部の手続きをインターネット上で行うことができます。とはいえ、マイナンバーカードを作成した人は、現時点ではまだ1割程度とされています。写真を役所に提出するなど手間がかかることから、入手していない人が多いのです。
マイナンバーカードを作っていない人は、民間のサービスで情報をフォローすることもできます。
東京23区在住の方にお勧めなのは『ほじょナビ』というアプリです。私も参画している一般社団法人「みんなで作る良い行政サービス協会」が運営しているサービスで、アプリをインストールすると自分が利用できる補助金などをプッシュ通知で教えてくれます。
その他のエリアにお住まいの方は、家計簿アプリ『Zaim』に搭載されている「わたしの給付金」機能がおすすめです。全国を対象としていて、自分の自治体で受けられる給付金を検索することができます。自分が利用できる制度を自動抽出できるのは有料のプレミアムサービス会員(月額300~360円)だけが使うことができますが、検索だけであれば無料です。