近くて便利、コンパクトで高機能なコンビニは、現代のニッポンを象徴する社会インフラとなった。そこで働く外国人留学生にとって、コンビニは日本語だけでなく日本文化を学ぶ生きた教材。学校よりも日本語を勉強できていると好評だ。
しかしその半面、コンビニで働き、日本人の“素”を毎日見ている彼らの胸には、ニッポンの文化や国民性への違和感がよぎることもある。コンビニで働く留学生たちから話を聞いた。
一億総“モウシワケゴザイマセン”社会
《お急ぎのところ、ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。この電車は、5分遅れで進行しております》
中国・南京市で生まれ育ち、現在は日本語学校に通う留学生・陳鼎頤さん(19才)は、いつものようにアルバイト先のローソンへ向かう電車の中で耳を疑った。
「5分しか遅れていないのに、そんなに謝るの? 全然ダイジョウブなのに。ビックリしました」
電車やバスなどの交通機関が時間に正確であることに喜びを感じつつも、わずかな時間でも遅れることを必死で謝る様子には少々気おくれしてしまうのだそう。