バブル時代、海外旅行をする日本人はブランド店に列をなし、その金満っぷりを世界に見せつけていた。しかしそれも今は昔という状況にあるという。タイ・バンコク発の「一部日本人の評判が悪くなっている」という情報がネット上で多数のシェアをされるなどし、衝撃を与えている。海外旅行における日本人の扱われ方の変化について、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏がここ数年で感じたことをつづる。
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6月3日、「タイランドハイパーリンクス」というタイ関連の情報を扱うサイトで「【悲報】カオサン界隈で日本人バックパッカーが嫌われ始めています!」という記事が登場しました。同記事では日本人観光客の中には「ベッグペッカー」(物乞いバックパッカー)と扱われる者もいると伝えています。
「No money」と書かれたボードを頭上に掲げヒッチハイクをする二人の日本人学生らが批判されたそうです。また、世界中のバックパッカーが集まるカオサンロードでは「鬼のような値引き交渉!」をする日本人学生旅行者がいたり、「フリーハグ」や楽器演奏でカネ稼ぎをしようとする人がいるとのこと。タイ人以外がこの手のことをやることは不法就労にあたり、場合によっては逮捕・強制送還となるそうです。
これについてですが、なんとなく状況は理解できます。私は2000年から2017年まで、タイには15回ほど行っておりますが、ここ数年は明らかに日本人への扱いが変わっていることを感じます。2010年より前、日本人は金持ちとして扱われていたのです。
それが、とにかく日本語で喋られる回数が以前より激減しました。2000年代は、街を歩いていたらトゥクトゥク(三輪タクシー)の運転手に声をかけられまくられましたが、それは半減。「バンコクの秋葉原」と呼ばれるパンティップ・プラザに行ったら、「エロビデオエロビデオ」と海賊版DVD屋から熱烈なる声をかけられたものですが、今や声はまるでかけられない。