日々の経済関連ニュースだけを見ていると、“いまは投資を始めるタイミングじゃない”という印象を抱えてしまうだろう。米中が激しく対立する通商問題の行方が依然見通せず、日経平均株価は2万2000円を挟んだ展開が続いている。
だが、投資のプロたちから見ると“今こそ仕込むチャンス”なのだという。世界の株式市場の動向に詳しいグローバルリンクアドバイザーズ代表・戸松信博氏の見方である。
「米中貿易摩擦への懸念が膨らんでいますが、これはあくまで“政治ショー”にすぎません。トランプ米大統領は11月の中間選挙に向けて実績作りが必要なだけであり、中国としても経済状況が本格的に悪化すれば政権の基盤そのものを揺るがしかねない。そのため、いつまでも対立を続けることはなく、11月までのどこかのタイミングで折り合いをつけるのは間違いない。
長期的な視点に立てば、この問題で株安となっている今のタイミングが、世界経済を牽引していくような有望銘柄を仕込む絶好のチャンスといえるでしょう」
たしかに、今後、長期間にわたって高成長を期待されている分野がある。あらゆるモノがインターネットにつながるというIoTやAI(人工知能)の進化がもたらす「第4次産業革命」に関連した技術を持つ企業群だ。戸松氏はこう分析する。
「カギとなるのが『3D-NAND』という高性能半導体です。これによってマイクロチップでこれまでとは比べものにならないほどの高速処理が可能となり、次世代の技術を下支えするのです」