米中が激しく対立する通商問題の行方が依然見通せず、日経平均株価は2万2000円を挟んだ展開が続いている。老後資金の運用に悩んでいる人も少なくないだろう。「値動きの激しい個別株はどうしてもリスクが怖くて、老後資金の運用先として選びづらい」という人にとって、選択肢となるのが「ETF」(上場投資信託)だ。
ケイ・アセット代表の平野憲一氏は、日経平均を構成する225銘柄のなかでも、より大きな上昇が期待できる銘柄で構成されるETFに注目している。
「現在、日本の株式市場の取引の7割を海外の機関投資家が占めています。そうした海外勢は日本企業に株主重視の姿勢を示すように求めており、株主配当が高い企業は評価され、株価が継続して上がりやすい流れがある。長期の安定的な成長が見込める運用先を探す上では、見逃せない視点となります。
その意味では、日経平均を構成する225銘柄のうち配当利回りが高い50銘柄で運用する日経平均高配当株50指数連動型ETF(1489)をはじめ、信託報酬など取引手数料が格安なETFは期待できます。そうした投信をNISA(少額投資非課税制度)を活用して購入すれば、分配金や売却益なども非課税となります」
年金だけに頼れない人生100年時代だからこそ、プロの見立てを参考にしながら着実に「増やす」道を探ることも必要な知恵となるだろう。
※週刊ポスト2018年7月20・27日号