企業概要
傘下にキリンビール、キリンビバレッジ、メルシャン、協和発酵キリンなどを擁す純粋持ち株会社。国内外で酒類、飲料、そして医薬品を中心とした多角的な事業展開を行っています。
注目ポイント
ビールでは、昔からアサヒビールと熾烈なシェア争いをしてきましたが、ここ数年、販促施策の失敗によりアサヒビールの後塵を拝しており、トップシェア奪還に向けた構造改革を進めています。
コスト削減から始まった構造改革も、マーケティング改革によってビール事業の収益力が回復しており、足元の業績にもその効果が発現しています。メリハリのある効果的な販売促進策により、主力ブランドのリニューアル効果継続、そして新商品のヒットと結果を生んでいます。コスト削減に頼る事業利益の創出ではなく、販売増による利益創出ができるようになってきたことが確認されました。
市場では、決算発表内容から同社の収益力が回復していることを確認し、年率7.8%の中期利益成長を予想しています。また、キャッシュフロー拡大により配当や自社株買いと言った還元姿勢が強まるとしている証券会社も出ています。
併せて昨年行った不採算事業の整理によって事業基盤が整えられたことで、ビール事業の強化に加え、ミャンマー事業の強化、また低収益のキリンビバレッジや協和発酵キリンの再生にも資金が振り向けられるようになってきており、見通しは明るくなっています。
収益力回復により、財務改善も進んでいることも評価され、増配や自社株買いなどの実施も期待されます。
【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。『日本人が知らなかった海外投資 米国株』他、著書多数。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。