定年後、年金生活に入ると必要に迫られるのが生活のダウンサイジングだ。要は出費を減らせ、ということだが、具体的にダウンサイジングしていく上で、ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏は、「少しの工夫が大切」と指摘する。
「例えば、毎日の食事や買い物にクーポン券を利用すれば、年間で万単位の節約になります。いつものメニューが次回は100円引きで提供されるなど、クーポンは他の金融商品と比較してかなり高利回りのものが多い。
また公共交通機関を利用する際は、普通の乗車券やスイカなどの交通カードより、回数券を使うと割引率が高くて大変お得。ちょっとしたことで、使うお金を賢く減らせるんです」
経済評論家の荻原博子氏が勧めるのは、「野菜作り」で楽しく稼ぐ方法だ。
「私の知人はリタイア後、市民農園で野菜作りをはじめ、毎日の生活の活力を得て健康的になりました。驚いたのは年間の区画利用料3万円に対し、そこで取れたナスが市場価格にして6万円で売れたこと。食費が浮いて家計が助かり、健康寿命も延びて一石三鳥です」
こうしたダウンサイジングによって、無駄遣いすることなく「身の丈」に応じた暮らしができるようになるだろう。
※週刊ポスト2018年8月10日号