中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

仕事のギャラの交渉はしないほうがいい、これだけの理由

フリーランスはどこまで仕事のギャラ交渉をすべきなのか?

 フリーランスとして働く人々が集まるとよく話題になるのが「ギャラは交渉をすべきか否か」という問題だ。「自分の対価に見合う額を請求するのは当然の権利」「でも、ギャラを交渉したら傲慢だと思われないか?」「自分がギャラを下げたら業界全体に迷惑をかける」……など様々な意見が出てくる。結局のところどうなのか? 「あくまで私の経験上から導き出された結論ですが……」と前置きしたうえで、フリー歴17年のネットニュース編集者・中川淳一郎氏が意見する。

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 私は今まで1回もギャラ交渉したことないんですが、なんとかここまでお金に苦労することなく生き残っています。少なくとも交渉しないでもなんとかなってきましたし、それなりの高給取りになれたので、「ギャラ交渉はしないでもなんとかなるんじゃね?」という結論になっています。

 理由は簡単で、発注主からすれば「無い袖は振れない」ということでしかないんですよ。そりゃあ、外注先に対して多額のカネを払ってその人のやる気を出したり、気持ちよく仕事をしてもらいたい気持ちもありますが、予算額ってものは決まっているんですよね、残念ながら。

 私は元々、発注主側の立場であるサラリーマンをやっていたので、「予算が決まっている」という動かし難い事実を前にすると、ギャラ増額をお願いしてくる外注先に対しては、もはや「そこをなんとか!」としか言えない経験を何度もしてきました。「その額では無理ですね」と言ってきた外注先との縁は切れることになりますが、彼らはその1年後ぐらいに「仕事をいただけませんか」なんて営業を仕掛けてくることもあります。その時は「いやぁ、今、御社に頼む仕事、ないんですよね」としか答えませんでした。

 まぁ、そういうものなのです。その会社(ないしは個人)が余人をもって代えがたい存在である場合は、希望通りのお金を払うべく予算獲得に励むこともあると思いますが、「昔からの付き合い」やら「上司からあてがわれただけ」程度の会社・個人であればカネでガタガタ言ってきた場合は「面倒臭いので他に頼みます」ということがよくある。

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