企業概要
電源供給やノイズ抑制を補助する「積層セラミックコンデンサ(MLCC)」で世界トップシェア35%を誇る電子部品メーカー大手です。ハイエンドMLCCを得意とし、超小型MLCCを量産できる世界でも数少ないメーカーです。
また、MLCCのほか、特定の信号だけを通す表面波フィルタやデジタル信号を処理するセラミック発振子、ノイズ対策のEMI除去フィルタなどでも世界トップシェア製品を展開しており、電子部品需要拡大の恩恵を享受した成長が期待できる企業です。
注目ポイント
特に車載向けは、自動車の電装化によって、従来の2-3倍のコンデンサが搭載されることになるドル箱市場。足元でも業績のけん引役となっています。19/3期は、スマホの高機能化、自動車の電装化、各種電子部品の需要拡大を受け、大幅増収増益の見通しとなっています。中長期的にも5G向け製品の収益化やリチウムイオン二次電池の黒字化など成長期待が大きく、同社の圧倒的な技術競争力が成長のポテンシャルを底上げしています。
株価は6月の値上げ報道で窓を空けて上昇しました。ただ、このMLCCの値上げは需給のひっ迫を受けたものではなく、製造コストの上昇を添加するもの。汎用的なローエンド品を主力とする同業では値上げにより数年来の業績を記録していますが、ハイエンド品を主力とする同社にとっては単価下落を抑制するなど影響は限定的であることは頭に入れておくべきかと思います。
株価は一時2万円台に乗せましたが、現在調整してきました。値上げを評価したが、正しいところに戻ってきた、という見方もできます。
一方、米中貿易戦争の影響は今のところ同社には影響がないと見られ、相場の調整時は買いの好機かと思います。
中長期でも成長期待の高い企業だと思います。
【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。『日本人が知らなかった海外投資 米国株』他、著書多数。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。