ビットコイン、イーサリアム、リップル、NEM……現在、市場で取引されている仮想通貨は1000種類を超える。2017年はほぼ何を買っても値上がりする相場環境だったが、現在は様相が激変している。今後、投資対象として注目を集める仮想通貨はなにか。フィスコデジタルアセットグループ代表取締役でビットコインアナリストの田代昌之氏が解説する。
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私は、主要な仮想通貨の価格は今後も上昇基調を続けていくことに疑念を抱いてはいない。ただし、短期的な急落局面を挟みつつの上昇であって、一直線で値上がりするわけではないだろう。
たとえば、世界的な自動車メーカーであるトヨタ自動車の株価は、短期的には対日本円の為替レートと高い相関があるとみられるため、一時的に下がることも頻繁にありうるが、長期的には自動車の生産台数と相関があるように思える。
仮想通貨市場においても、同様の視点を持つ心がけが大切だと考える。株価と連動する企業業績などは、仮想通貨には存在しないが、時価総額からそのバリューを計算できると考えている。
現在の仮想通貨全体の時価総額は約25兆となっている。内訳を見ると、ビットコインの時価総額が12兆円、イーサリアムが4兆円、リップルが1.5兆円、ビットコインキャッシュが1.2兆円と、この4通貨で全体の75%を占めている。