住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は「辻堂」(神奈川県藤沢市)について、ライターの金子則男氏が解説する。
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湘南地区を走る東海道線には、湘南の中心都市・藤沢、サザン・オールスターズファンの聖地・茅ヶ崎、「湘南ベルマーレ」「七夕まつり」「箱根駅伝の中継所」などで知られる平塚など、全国的に有名な駅がいくつもありますが、SUUMOの「住みたい街ランキング2018」で、藤沢に次いで上位に入ったのが、今回紹介する辻堂。JR東海道線の快速列車「アクティー」に通過されてしまう辻堂は、なぜ人気なのでしょうか。
鉄道路線は長らく東海道線のみでしたが、湘南新宿ラインの運用開始により、渋谷、新宿、池袋といった都内の主要駅に1本で行けるようになりました。それらの駅に、乗り換えなしで1時間前後で行けるようになったのは嬉しいところですが、くれぐれも寝過ごしには要注意。下手すると前橋や宇都宮まで連れて行かれることになります。
道路状況はよくありません。国道1号線も海沿いの134号線も、交通量が多くてスイスイ走れる状況には程遠く、線路が高架ではないので、線路の北側と南側の移動も面倒です。遠出をするにしても、東名高速に乗るまでに結構な時間がかかるので、これまた不便。江ノ島や鎌倉方面の混雑は言わずもがなですし、いきおいドライブコースは西湘バイパス方面に絞られそうです。景色最高の西湘バイパスを飛ばすだけでも、車を持つ甲斐はありますが……。