何とか資産を殖やしたい──そんな投資家の欲求に応えるように、華々しい謳い文句とともに新しい金融商品が次々と登場しているが、その一方で「古い商品」が注目を浴びている。誰が呼んだか、「ご長寿投信」。その“凄さ”の理由とは。
老後マネーの運用先として人気を集める投資信託(投信)。株投資に比べて低リスクとされ、投資の専門家(ファンドマネージャー)に運用を任せられる“手堅さ”が支持の背景にある。
そうしたリタイア世代のニーズを受けて投信市場は膨れあがっている。各金融機関が設定する新商品は1日1本以上のペースで登場しており(2017年度の新規設定投信は465本)、今や国内の総数は約6000本にのぼる。
投資先や運用スタイルによって成績に差が出てくるとはいえ、「新しい投信ほど、今の景気・経済状況にマッチしている」と思えてくるが、実はその正反対の古い商品が人気を集めているのだという。
「爆発力」より「安定感」
〈ご長寿投信 突然の人気〉──そんな見出しの記事が日経新聞の金融経済面に掲載された(8月14日付)。
「長寿投信」とは設定から10年以上が経過した投信のこと。今の日本の投信(追加型投信)の約半数は運用年数が5年未満で、10年超の商品は全体の約3割。そうした投信の「純資産残高」が急増している──という内容だ。