人生の最晩年に突入する80歳。心配のタネは「自らの葬儀費用」だ。子供の負担になるくらいなら、安価な葬儀でいいと考える人は多いかもしれない。
葬儀の簡素化が進む現在、火葬のみの葬儀なら15万~20万円程度、家族葬なら40万~50万円ほどでまかなえるものも少なくない。「終活」に詳しいジャーナリストの三星雅人氏がいう。
「葬儀で子供に迷惑をかけない一番いい方法は、生きているうちに“自分の望む葬儀のスタイル”を具体的に伝えておくことです。エンディングノートに記しておいてもいい。“家族葬でいい”“棺桶は一番安いもので”“費用は〇〇万円を超えないように”と伝えておけば、子供も質素な葬儀に後ろめたさを感じずにすみます」
また、親の死を経験した50~60代の男性数人に取材したところ、最も困ったのは「死亡届を出すと親の銀行口座が凍結され、引き出せなくなった」(53歳・会社員)ことだという。
そのような事態を避けるため、当座の葬儀費用を現金で自宅に保管しておき、万が一のために子供に置き場所を知らせておくのも一案だ。
葬儀への備えとして、「冠婚葬祭互助会」への加入を検討している人もいるだろう。毎月数千円程度の掛け金を払い、葬儀費用に充てるシステムだ。急な葬儀になっても多額の費用が必要なく、葬儀社を探す手間が省けるメリットがある。