シェアハウス、シェアオフィス、自転車シェアリング……様々なものがシェアされるようになってきた今、「マイカー」もシェアツールとして注目を浴びるようになってきた。車を借りたい人と車を貸したい個人間のマッチングサービスであるマイカーシェアサービスだ。代表的なサービスとしてNTTドコモが運営する「dカーシェア」やDeNAが運営する「Anyca(エニカ)」などがある。
デートでちょっといい車に乗りたい若者や、普段は車を持っていないファミリーなど、借り手側は借りたいエリアと期間を指定してアプリからリクエストするだけで、目的に合った車を簡単に探すことができる。例えば「dカーシェア」のアプリを見ると、地図上で近くの車が表示され、「CLSクラス(メルセデス・ベンツ)」が「12時間6400円、24時間6900円、48時間12900円」といった具合に出てくるのだ。特に高級車の場合、レンタカーより圧倒的に安く借りられる。
一方、車の貸し手は車の維持費に充てたい、ちょっとしたお小遣い稼ぎといった理由で登録する人が多い。借り手にしてみれば簡単・手軽で満足度の高いサービスだが、では、貸し手として「副業」にできるほどマイカーシェアで稼ぐことはできるのだろうか。
「車の維持費や家計の足しにと思って登録してみたものの、思っていたほどの反応はありませんでしたね」と語るのはマイカーシェアサービスで自家用車をシェアしている男性会社員の松本さん(仮名・40代)だ。
「これで稼ごうと思ったら、高級車や人気車種でもないかぎり難しいんじゃないかと思います。うちの車のような普通のセダンはあまり注目されません。もう少し需要があるかなとは思っていたのですが、安めの料金で設定しておかないと見向きもされないですね」(同前)