現役時代の金銭感覚で老後の年金生活に入ると、収入が少ない分、あっという間に赤字になってしまう。とはいえ、ケチケチしすぎると、心豊かな老後は送れない。老後に削るべき予算とその方法はどんなものがあるのか。ここでは、住まい、自動車にかかる費用について紹介しよう。
住宅リフォームは70才以降までがまんし、最小限で済ます
退職金が入ると、それを資金に家のリフォームを考える人が多い。しかし、大金を手にした直後だと、「ついでに門扉や壁のクロスも」などと欲が出て、あっという間に予算オーバーしてしまうケースが多いという。「老後のリフォームは最低限にしてほしい」とは、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん。
「今は人生100年時代。60代でリフォームすると、80代にもう一度リフォームが必要になる可能性が高い。また、急に介護が必要になって施設に入ることも考えられますし、一生同じ家で暮らしていくかはわかりません。ですから、リフォームをするなら最小限に済ませるか、70代までリフォームするのを遅らせましょう。その年代で手を入れれば、ほぼ一生もちますから」(井戸さん)