2017年の仮想通貨相場の活況に伴い、個人投資家が大挙して参入したが、そのリスク面を把握できていない人は少なくないようだ。仮想通貨投資で注意すべきポイントは何か。フィスコデジタルアセットグループ代表取締役でビットコインアナリストの田代昌之氏が解説する。
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仮想通貨投資でまず注意しなければならないポイントとしては、何といってもボラティリティ(変動率)の高さである。これは、投資経験のない初心者はもちろん、株式や為替取引の経験がある人でも注意が必要だ。
仮想通貨のボラティリティの高さは、株式や為替といった伝統的な金融商品市場とは雲泥の差がある。1日に10%以上の値動きがザラに発生する。それに対して、為替市場でドルが対円で動く変動幅は、1年間で10%程度である。
つまり、ドル・円の為替取引の1年間のボラティリティが、仮想通貨取引ではわずか1日で発生するということだ。極端な例を挙げれば、2017年12月8日のビットコイン価格は、前日比で42%も動いたのである。
そのため、為替取引と同じ感覚で仮想通貨取引をしていたら、想定外の損失を被る可能性がある。もちろん、逆に想定外の利益が出る可能性もあるが、そのリスクは理解しておくべきだろう。
仮想通貨取引においても、FX(外国為替証拠金取引)と同様、売りからでも買いからでも入れるレバレッジ取引が可能だ。もし高いレバレッジをかけて取引した仮想通貨が急落した場合、証拠金が一瞬にして溶けるケースが考えられる。FX取引に慣れた人ほど気をつけなくてはいけないポイントだ。