中国では10月1日から1週間、国慶節休暇となっている。9月19日、中国オンライン旅行会社のCトリップは、10月1日~7日にかけての中国からの海外・地域旅行予定者数を発表したが、国・地域別で日本が初めてトップとなった。ちなみに、2位はタイ、3位は香港、4位は韓国、5位はシンガポールである。いずれも距離的に近いアジアの隣国、地域がベスト5を占めている。
9月30日から10月1日にかけて、台風24号が日本列島を縦断、また続いて25号が日本に接近しかねない状況であり、キャンセルが心配される状況ではある。ただ、9月4日に上陸、関西空港に大きな被害をもたらした台風21号や、9月6日に発生した北海道胆振頭部地震の影響を含んだ上での統計である。直前なので、欠航とならない限り、予定通り旅行する観光客も多いと思われる。
インバウンド消費は今や、日本の消費関連業界の救世主となりつつある。旅行者は、旅行時の買い物だけでなく、帰国後の日本製品に対する越境EC取引に対する需要も牽引する。そうした観点からすれば、中国からの旅行者が今後も増え続けるかどうかは、日本の景気見通しを考える上でも大きな意味があるといえよう。
中国人はなぜ日本旅行を好むのであろうか? 中国本土のブロガーたちの意見などをまとめると、要因はおよそ以下の通りである。
(1)地理的な条件が良く、アクセスが便利である
日中便は長らくビジネス需要が中心で、ANA 、JALが強みを持っていたが、ここ数年、中国の航空会社が便数を増やしている。特に、中国東方航空が日本便に力を入れている。
日経トレンディネット(8月8日)によれば、今年の8月時点で、「JALは日本国内3都市(東京・大阪・名古屋)から中国国内6都市へ週98便(往復)を運航、ANAは同じく3都市からから中国国内10都市へ週175便を運航している。それに対して、中国東方航空は日本国内14都市(東京、大阪、名古屋、福岡、札幌、小松、新潟、静岡、岡山、広島、松山、長崎、鹿児島、那覇)から中国国内8都市へ週212便を運航している」としている。
距離的に近く、時差は1時間しかない。その上、交通の便が良いから、気軽に旅行ができる。