一口に「東京」と言っても、下町と山の手ではまるで気風が違うように、街によってさまざまな顔を持っているのが大都会・東京の特徴。そんな東京には、地名が何かの隠語になっている街がいくつもあります。そんな「隠語になっている都内の地名」を紹介しましょう。
【永田町=国会、自民党など】
ニュース番組のなかでもよく使われ、一般常識として知っておきたい表現。永田町には国会議事堂、自民党本部、首相官邸など、政治関係の主要機関が集中しています。「永田町」という単語は、文脈によって国会、自民党、政治家、政界など、微妙に変化するため、社会情勢や時事問題に通じていなければならず、インテリジェンスが問われます。
【霞が関=役人、官僚、官庁など】
永田町が政治家の街なら、霞が関は役人の街。霞が関には財務省、外務省、国土交通省、経済産業省……あらゆる省庁がここに集中しているため、このように呼ばれます。永田町という単語とセットで使われることも多いので、セットで覚えておきたいところです。
【桜田門=警察】
歴史の教科書で必ず学ぶ「桜田門外の変」でおなじみの桜田門は、皇居の内堀に造られた門の1つ。東京メトロの駅名にもなっている桜田門には警視庁本部があります。霞が関とはほとんど離れておらず、警視庁本部の住所も「千代田区霞が関」ですが、警察という特殊なポジションだけに、独自の呼び名になっています。
【市ヶ谷=防衛省、自衛隊】
日本屈指の高級住宅街・番町の最寄り駅の市ヶ谷ですが、市ケ谷駅から少々歩いた市谷本村町に防衛省があるため、防衛省や自衛隊を表す単語として使われます。作家の三島由紀夫が潜入してクーデターを呼びかけ、割腹自殺をしたのはこちら。なお、かつては防衛庁が六本木(現在の東京ミッドタウン)にあったため、その頃は「檜町(ひのきちょう)」と呼ばれることもありました。
【代々木=共産党】
こちらはややマイナーですが、日本共産党本部は代々木駅の近く、総武線と山手線の線路脇にあり、かつてはこのように呼ばれることもありました。マスコミや政界以外で使われることは稀かもしれません。