円安基調が続いている米ドル円相場だが、「そろそろ下落に転じるのではないか」と懸念しているFX(外国為替証拠金取引)トレーダーも少なくないだろう。今回はFXのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが、今後の米ドル円相場を見通すうえで、意識すべきポイントについて解説する。
* * *
今後の米ドル円(以下ドル円)相場の見通しについて、私の考えをお伝えします。
まず、10月2日時点での売買比率(くりっく365)を確認すると、売り残:約55.4万枚、買い残:約38.1万枚となっていて大幅に売りポジションが多い状況にありました。売りポジションが多いときの相場は下げづらくなります。
また、月足、週足のドル円チャートで移動平均線(トレンド系のテクニカルツール)を確認すると買いサインのままの状況です。月足チャートでは短期線が長期線を上抜くことはできていないものの、週足チャートでは、ゴールデンクロスの状態となっています。
ただし、注意すべき点もあります。
10月、11月の注意点
特に10月は過去の例から言って気を付けるべき月です。
振り返るとブラックマンデーをはじめとする相場に大きい影響をもたらした事件の多くが10月に起こっています。
米中の貿易戦争についてはマーケットが慣れてしまい、すでに織り込み済みの様子もあります。9月末に行われた日米首脳会談も軟着陸し、直近で何か大きな問題に発展するということも考えにくい状況にあります。