安倍政権は、年金支給開始年齢を「65歳」から「68歳」に引き上げるための地ならしを進めている。さらにその先には「70歳」への引き上げも検討されている。そうした年金改悪に、国民はどう対抗すべきなのか。
年金を最大化するために見落とせないのが「妻の年金」だ。夫婦の年齢差で生じる年金受給までの「時間差」が定年後の資金計画の武器になるが、妻が年上か、年下かによってやり方が違ってくる。
「姉さん女房」は少しだけ我慢
年上の妻が65歳の年金受給年齢に達したとき、夫はまだ現役、もしくは雇用延長で働く“準現役”のケースが大半だろう。夫の給料だけで生活できるのであれば、妻がすぐに年金をもらうのは得策とは言えない。振り込まれた年金が妻の“お小遣い”に消えたり、そのまま銀行口座に眠らせてしまう人が少なくないからだ。
それなら妻に年金を我慢してもらい「繰り下げ受給」を選ぶ方が懸命だ。
繰り下げ期間は「夫婦の年齢差」に合わせる。
妻が3歳年上の場合、3年繰り下げて夫・65歳、妻68歳で夫婦そろって年金を受給すれば、妻の年金額は24.6%も割り増しされる。一般的な「繰り下げ受給」は家計圧迫の材料になり得るが、年齢差に合わせることでこれが解消される。妻の受給停止期間中も夫の給与収入があるので、無理のない繰り下げが可能となる。