将来の生活不安から、生活費を削減したいと考える人は多いだろう。特に家計で最も多くの割合を占める住居費は、いかに削減すればよいのだろうか。著書『お金からの解放宣言~秘刀の投資法とお金の在りかた~』(かんよう出版)が話題の投資家兼USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のマーケティング・ディレクターの秋山哲氏が、その具体的方法を解説する。
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世帯所得によっても異なりますが、住居費の割合が30%以上の家計で老後や教育といった将来必要なお金に対して十分な資産が形成できている世帯は少ないはずです。こうした家計は、所得の25%程度まで住居費を削減するように心がけたいところです。
住居費の削減方法は、賃貸であれば引っ越し、もしくは現在の住居で家賃の値下げ交渉のどちらかになります。引っ越しは敷金や礼金などの初期費用が発生する場合もありますし、最低でも引っ越し費用は発生します。
ただし、こうした初期費用を1、2年程度で相殺できる物件を見つけるのはさほど難しくありません。現在の日本では、世帯数が減少しているにもかかわらず、相続税対策などの面からも賃貸マンションやアパートが増加しており、空き家率が増加し続けています。今後もこの傾向は変わらず、15年後の2033年には空き家率が30%程度になると予測されています。こうした環境の中で、立地や広さの条件が現在と類似している物件でさらに安い賃貸物件を見つけることはさほど困難ではありません。
現在の賃貸物件の家賃値下げ交渉も有力な選択肢です。交渉を管理会社と行う際には、次の点を明記して書面で管理会社に送るとよいでしょう。
【1】現在の住居は気に入っている、【2】家賃が相場と比べて高い(同じマンションの空室の家賃を不動産サイトで調べたり、近所で同様の物件の家賃を調べたりする)、【3】家賃を相場並みに下げて欲しい、【4】相場並みにさげてくれれば住み続けたい、【5】相場並みに下げてくれないのであれば、経済的な理由から引っ越しを検討する。
空き家率が増加傾向にある中、管理会社からしても相場並みに家賃を下げても居住を続けてもらう方が特なケースは非常に多いので、良い回答が得られる可能性は十分あります。何年もの間、家賃が変化していない方は家賃交渉の余地が大きい可能性が高いので、まずは相場をチェックすることから始めたいです。