「人生100年時代」になり、日本人の保険に対する意識が変わり始めている。保険に詳しい、ファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんが話す。
「以前は、死亡するとお金が出る『死亡保障』が重視されていましたが、最近は、生きるための保障『生存保障』が注目されています。これは、長生きのリスクに備える必要が出てきたためで、特に医療保険を選ぶ人が多くなっています。その医療保険の内容も、何泊入院しても定額の入院一時金型など、どんどん新しい商品が出てきています」
かつての主力商品「死亡保険」は、子供のいない世帯や単身者が増えたので、契約者が激減した。困った生保業界は近年、「生きている間のリスク」を強調して「医療・がん保険」の宣伝キャンペーンを繰り広げ、特に女性相手に新規契約者を増やしてきた。
しかし、それはあくまで保険会社の都合だ。本当に必要な保険なのか、今一度、見直す必要がある。
「人生でいちばん高い買い物は『マイホーム』だとよくいわれますが、2番目に高い買い物は実は『保険』であるケースも多い。保険料を毎月、銀行引き落としにしていると気づきにくいですが、人生トータルで考えると保険は何千万円もする超高額な買い物といえます」(長尾さん)