消費増税の影響などで、不透明な相場が続く日本株だが、ここから上がる株はどこにあるのか。ラジオNIKKEI記者・和島英樹氏が、10万円以下で買える注目の銘柄をピックアップした。
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アベノミクス「第3の矢」が期待外れに終わりそうななか、景気を下支えする可能性が高いのが、東京五輪開催や国土強靱化に関連したインフラ整備だろう。いわばこの「第4の矢」が自然発生的に増えていくことで、関連した銘柄はテーマになりやすい。
安倍政権が期せずして効果を発揮しそうな「第4の矢」を見ていくと、外環道やリニア新幹線をはじめ狭い国土でインフラ整備を進めるために欠かせないのが、地下の活用である。そこで注目したいのが、地下資源工事用のボーリングマシン(掘削機械)で有数の鉱研工業(ジャスダック・6297)だ。
機械メーカーでありながら施工も手がけ、トンネルを斜めに掘る技術などに強みを持つ。実際、リニア新幹線では試掘を担当。そのほとんどは地下50メートル程度の大深度を通過するため、同社の掘削技術が活かされようとしている。
また、原発事故以降の代替エネルギーの開発も追い風といえる。地熱発電では国立公園内に熱源があるケースも少なくないため、区域外からの斜め掘りに同社の技術力は欠かせない。
温泉を使ったバイナリー発電、メタンハイドレートなどの地下資源掘削もビジネスチャンスの拡大につながる。今期は減益予想だが、これは保守的。株価は2倍以上になっても不思議ではない。
※マネーポスト2014年夏号