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有料老人ホームは終身契約ではない 長寿リスクで追い出される懸念も

有料老人ホームから退去を迫られるケースとは?(イメージ)

有料老人ホームから退去を迫られるケースとは?(イメージ)

 人生100年時代を迎え、長寿リスクで老人ホームから追い出されるリスクが高まっているという。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などは「終身契約」ではない。利用料を滞納したり、認知症の進行、要介護度が基準より重くなった場合は施設退去や特養などへの転所を求められることになる。

 長生きすれば、風邪をこじらせたり、骨折したり、怪我や病気のリスクは高まる。あまり知られていないが、長期入院で一定期間ホームを不在にした場合も退去を求められることがある。一般的に「3か月以上の入院は退去」と規約に定めているホームが多い。

 転倒して骨折、あるいは病気などで3か月以上の入院となり、ホームからの退去を余儀なくされた――というケースは珍しくない。

 しかも、有料ホームの入居一時金は5~7年で償却される契約が多く、長期間入所者はホームを追い出されても入居金は戻ってこない。介護評論家の佐藤恒伯氏が語る。

「私が相談を受けた関東の老人ホームの入居者は、利用料が払えなくなって退去を迫られた。ホーム側が家族の了承を得ないまま利用料が安い九州の系列ホームに移そうとしたため、本人が利用料を負担できる関東のホームを紹介したことがあります」

 自宅は入居時に売却しているケースが多いだけに、追い出されたらお金も住むところもなくなってしまう。子供がすでにリタイア世代となっていれば親の面倒を見る余裕はない。まさに「老老破綻」への道だ。

※週刊ポスト2018年12月14日号

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