投資情報会社・フィスコが、株式市場の12月17日~12月21日の動きを振り返りつつ、12月25日~12月28日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落し3月の年初来安値を更新した。週間ベースでは3週連続安となった。週初17日の日経平均は円安含みに振れた為替と日経平均採用の値がさ株が買い戻されたことで132.05円高と反発して始まった。しかし、12月のNY連銀製造業景況指数やNAHB住宅市場指数が予想を下回ったことから、17日のNYダウが507.53ドル安と続落したことを受けて、18日の日経平均は反落に転じた。
NYダウの3日ぶりの反発を受けた19日の日経平均は続落した。プラス圏に浮上する場面もあったが、米FOMCの結果発表を控え戻りは限定的で終値ベースでは3月26日以来となる21000円割れで大引けた。また、新規上場したソフトバンク<9434>が公開価格1500円を下回る1463円の初値をつけた後、ジリジリと値を下げたことも地合いを悪化させた。
FOMCは大方の予想通りFF金利の誘導目標を2.25から2.50%に引き上げ、2019年の利上げ回数見通しは2回に引き下げられた。パウエルFRB議長も将来のデータ次第で金融政策変更の可能性にも言及したが支援材料とはならず、一時300ドル以上も上昇したNYダウは、引けにかけて下げ幅を拡大した。こうしたNY株安の流れを受けた20日の日経平均は3日続落して一時700円超の下げとなり、3月にマークした20347.49円の年初来安値を更新、2017年9月末以来となる約1年3カ月ぶりの低水準に沈んだ。
トランプ大統領が2019年2月までの「つなぎ予算案」に署名しない意向が伝わり、政府機関閉鎖への警戒感から20日のNYダウは460ドル超の大幅続落となった。こうした、米国株急落と1ドル111円台の円高、世界景気の減速を警戒した21日の日経平均は4日続落し、前引け間際には385.91円安の20006.67円まで急落した。後場に入り、18日と20日に続く日銀のETF買い期待を支えに20000円割れは回避したものの、戻りは鈍い展開となった。
今週の日経平均は心理的な節目意識が強まる20000円の攻防が意識され、ボラティリティが高い展開となることが予想される。仮に20000円割れとなると、ザラバ、終値ベースともに2017年9月15日以来となる。21日には東証1部の年初来安値更新銘柄が1321銘柄に達し、新規上場(IPO)銘柄のポート<7047>は初日に売り気配で値つかずという異常な現象の多発は、セリング・クライマックスの到来接近ともいえる。