投資情報会社・フィスコが、株式市場の12月25日~12月28日の動きを振り返りつつ、2019年1月4日の相場見通しを解説する。
* * *
2018年大納会の日経平均は辛うじて節目の20000円をキープした。27日に750円高をみせた日経平均だが、この日は利益確定の動きが優勢となる結果になった。外部環境が不透明ななかで、ポジションを保有したまま越年(オーバーイヤー)することに対する投資家の警戒感は根強く、積極的な上値追いの動きは限られた。2019年相場も波乱の展開を警戒する市場参加者が大勢とはいえ、ひとまず20000円をキープしたことで大幅なセンチメント悪化は避けられた格好であろう。
東京市場では、年明け1月3日まで6日間にわたる年末年始休暇入りとなる一方で、米国市場は元旦が休日となる以外は通常取引となる。2日からは多くの海外市場関係者も復帰し、出来高も回復してくるだろう。年明け4日の大発会は、週間で1日のみの営業日となる。過去の経緯を見ると、1月月間ベースの日経平均騰落率は年間で最も上昇確率が高い月であり、過去2年間の大発会は大幅高でスタートしている。
アノマリーベースの大発会での大幅高を期待したいところではあるものの、米国の一部政府機関の閉鎖は長期化の様相を見せるなど、2019年に向けて楽観的な見方が維持できるかどうかにはまだ不安が残るほか、年明けにはトランプ大統領がパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長と一対一による会談の可能性も報じられている。
これらの動向を見極めたいとする向きも多くみられるなか、年明け1月前半には米政府が中国当局者との貿易協議のため中国を訪問する予定であり、協議進展に対して市場の関心は集まろう。もっとも、米中協議期限の2月末までは日々変わる報道やトランプ大統領によるツイッター発言から、波乱含みの相場展開が警戒されることにもなる。
一方で、2019年は元号改正により1年を通じてお祝いムードが高まるなか、消費増税に向けた景気対策も支援材料となろう。2018年後半の急落によって個別ではイレギュラーな価格形成もみられやすく、成長期待の大きい銘柄や政策期待が高まる銘柄等へは、やや中長期的なスタンスでの資金流入を新春相場で意識してきたいところだ。