投資情報会社・フィスコが、株式市場の1月7日~1月11日の動きを振り返りつつ、1月15日~1月18日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇した。週間ベースでは6週ぶりのプラス転換となった。メキシコ国境での「壁」建設に絡んでトランプ大統領と民主党幹部との会談が不調に終わり、一部連邦政府機関の閉鎖が継続する懸念材料を抱えながらも、米中貿易摩擦を巡る高官協議による進展期待を背景にNYダウが10日に掛けて5日続伸し約1カ月ぶりに24000ドル台を回復したことが日経平均の戻りに寄与した。7日の日経平均は、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長が金融政策の調整余地について言及したことなどが安心感につながり、前週末比704.26円高まで上昇する場面があった。
円相場が強含みとなったことを受けて、買い戻し一巡後は伸び悩んだものの、8日の日経平均も好地合いを引き継ぐ形で続伸した。米ハイテク株高を好感したソフトバンクG<9984>やレーティング引き上げ観測のファナック<6954>の上昇が日経平均を押し上げた。9日も米中貿易交渉が順調に進展しているとの見方とアジア株高から堅調な展開を持続した。
10日は1ドル108円を割り込む円高を嫌気するなか、前日までの連騰で日経平均の上昇幅が865円に達していたことから利益確定売りが先行し、4日ぶりの反落となった。前日に日本工作機械工業会が、2019年の年間工作機械受注額が3年ぶりのマイナスになりそうとの見通しを発表したことも警戒材料となった。11日の日経平均は米国株の続伸や為替の円高一服を受けて反発した。ただ、今年最初のオプションSQ値(1月限)は 20290.67円で着地し、朝方の買い物が一巡した後は、3連休を控えて模様眺めムードが広がり積極的な上値追いは手控えられた。
今週の日経平均は20000円台を固める展開となりそうだ。NYダウは現地時間4日から10日の5日続伸で1315ドル超の上昇幅を見て一服のタイミングが見込まれ、日経平均はこれに影響を受けて伸び悩む可能性がある。先の米中通商協議では明確な合意がなく、次回の主席交渉官協議へと持ち越しになった。米予算を含む政府機関閉鎖、米金融政策、欧州政治リスクと不透明材料が重層的にくすぶり続ける中で、日経平均は為替動向に影響を受けることが見込まれる。また、来週21日はキング牧師誕生記念日で米国市場は3連休を控えていることも週後半の見送りムードを高めることにもなりそうだ。