今年のドル円相場はどう推移するのか。米中貿易摩擦やメキシコとの国境問題など、トランプ大統領の政策は為替相場に大きな影響を与える。今後のドル円相場の見通しについて、FX(外国為替証拠金取引)のカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんの見解を紹介する。
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2018年のドル円相場の最安値は、3月22日の価格である1ドル=104.63円(くりっく365)。逆に最高値は、10月4日の1ドル=114.565円という価格でした。
フィボナッチリトレースメントでこの価格から逆算してみると、104.63円から114.565円まで上昇した値幅である9.935円に対し、1月3日の安値はフィボナッチ計算価格76.4%強までの調整安となりました。
114.565円から106.170円まで下げた値幅に対して、109.10円まで戻した価格は、フィボナッチ38.2%の価格であり、現在は108円割れから切り替えし108.65円での推移です。
年初には、いったん下げの形にはなりましたが、依然、月足と週足の移動平均線がデッドクロスにはなっていません。そのため、テクニカル的にみると、本格的な下落トレンドではないと判断することができます。このままダブル底となるのか、はたまたトリプル底の形となるのかには注目したいところです。
ただ、私はここら辺で下げ止まり、このまま円安方向へ進んでいくのではないかと予想しています。というのも、アメリカ経済にとってネガティブな懸念材料が解消されつつあるからです。
アメリカ国内だけではなく、世界経済にとって大きなリスク材料として、中国との貿易摩擦が注目を集めています。アメリカのトランプ政権は過去3度にわたり、中国製品に対して制裁関税を発動しています。そのたびに中国側が報復措置をとるという形が続いてきました。