為替や株価に大きな影響を及ぼす原油価格。その動向に伴い、恩恵を受ける市場はどこにあるのか。FX(外国為替証拠金取引)などのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが分析する。
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これまで右肩上がりに伸びていた中国における2018年の自動車販売台数が28年ぶりに減少しました。自動車世界販売台数2位のアメリカも2017年と比べると横ばいですし、2019年はマイナス成長になると予測されています。
世界の自動車販売台数の約半分を占める米中における自動車販売台数の減少は、世界の景気に大きな影響を及ぼすかもしれません。
自動車販売台数の減少はガソリン需要の減少にもつながるので、原油価格にも波及する可能性が考えられます。
2018年10月から下落傾向であった原油価格ですが、昨年12月にOPEC(石油輸出国機構)やロシアなどの石油原産国が発表した減産実施や、年末にアラブ首長国連邦のエネルギー相が「場合によってはさらなる措置を講じる可能性もある」と示唆したこともあり、持ち直しの様子を見せました。
とはいえ、原油価格の動向には注意が必要です。原油価格が再び、下落していくことになれば、株式市場に流れているオイルマネーが現金化され、株価の下落を招くことになってしまうからです。
自動車販売台数の減少が引き金となり、株式市場へ与える影響には十分注意が必要だと考えています。