2007年に発覚した「消えた年金」問題では10年以上経っても2000万件の記録が未解決だ。しかし、その全てが持ち主の手がかりがないというわけではない。
そのうち約840万件は誰の記録かほぼ特定され、該当者にねんきん特別便や定期便で通知されたにもかかわらず、回答がないため支払いがなされていないケースだ。中には、年金受給者の分も、まだ年金受給開始年齢に達していない年金加入者のものも含まれる。
1997年に基礎年金番号制度ができるまでは、国民年金と厚生年金の番号は異なっており、転職ごとに同じ人に複数の年金番号が発行されることが少なくなかった。そのため、転職、転勤が多い人、会社の社名変更があった人、結婚などで名字が変わった人は、支給漏れの可能性を疑ってみた方がいい。
自分に「未支給年金」があるかないかを比較的簡単に調べる方法がある。年金受給開始前の人であれば、59歳になったときに送られてくる、ねんきん定期便に詳細な「年金加入履歴」が記されている。
A4判の紙に、本人が加入していた厚生年金や国民年金の種別と、勤務先、いつから加入(資格取得)していつ退職(資格喪失)したか、そして年金加入期間が一覧表にまとめられている。いわば職歴リストだ。
その中に年金記録がない空白期間がある場合、年金加入履歴の「お勤め先の名称等」の欄に「空いている期間があります」と書かれている。その表記があれば要注意だ。