親が亡くなると、相続に関わる諸手続きが必要になる。まず、生命保険などの死亡保険金の受け取り手続きをやっておきたい。「死亡保険金請求書」を保険会社に提出する。円満相続税理士法人の橘慶太代表が語る。
「死亡保険金の請求の時効は3年ですが、遺産分割の対象にならないので、相続放棄を判断する期限(3か月)、相続税の納付期限(10か月)といった相続関連の手続きが迫ってくるのに先立って済ませておくのがいいでしょう。受取人が単独で手続きできます。被保険者(親)の死亡を保険会社等に連絡し、必要書類を提出することで、手続きは完了します」
相続の手続きに入ると最初に、「相続人・相続財産の調査」を行なう。ここで見落としがあると、後日税務署への修正申告などが必要になる場合があり、手続きがさらに複雑になってしまう。それゆえ、法的に有効な遺言書があり、財産目録が完成していればこの手間が大きく省ける。
遺言が存在し、それが「自筆証書遺言」の場合、家庭裁判所で「遺言書の検認」を受けなければならない。遺言の保管者や発見した相続人が家裁に遺言書と必要書類を提出し、検認の申し立てを行なう。検認とは、すべての相続人に遺言の存在と内容を知らせ、検認時点での内容を明確にして偽造や変造を防止するための手続きだ(公正証書遺言の場合や、自筆証書遺言であっても法務局で保管されていたものは来年7月以降、検認の必要がなくなる)。