今年2月15日の年金支給日、再び年金パニックが起きるかもしれない。「どうしてこんなに減っているんだ」。銀行や郵便局で年金を引き出した人々が、振り込まれた金額を通帳で見て騒ぎ出す──。
ちょうど1年前、同じパニックが起きた。約130万人の受給者に振り込まれた年金額が、2か月前の2017年12月振込分より大きく減っていたからだ。
原因は「扶養親族等申告書」の記入ミスだった。年金受給者には毎年9月頃に年金機構から書類が送られ、配偶者など扶養家族の人数や所得を記入して返送しなければならない。
いわばサラリーマンの年末調整の手続きと同じで、その内容をもとに年金から天引きされる税金や介護保険料が計算され、翌年2月以降の年金支給額に反映される。
ところが、マイナンバーの導入に伴って年金機構が申告書の書式を大幅に変更し、記入方法が複雑になったため、記入ミスや書き方がわからずに返送されなかったケースが続出した。その結果、税金が取られすぎて年金の振込額(手取り)が減った人が多く出たのだ。“年金博士”こと社会保険労務士の北村庄吾氏が指摘する。