自営業者など国民年金加入者の場合、その存在を知らずにいると大きな“機会損失”になってしまいかねないのが「付加年金」だ。“年金博士”こと社会保険労務士の北村庄吾氏が指摘する。
「国民年金の加入者(第1号被保険者)が保険料に毎月400円をプラスして納めると、将来受け取る年金が増えるという制度です」
上乗せされる金額は、「200円×付加年金納付月数」となる。例えば、40歳から60歳までの20年間(240か月)を欠かさず納付していれば、年間4万8000円が一生涯支給される。納めた保険料の総額は20年間で9万6000円なので、2年間の受給で元が取れることになる。
40年間納め続ければ年間9万6000円(月額8000円)となる。月々400円という極めて小さい負担で、受給額を大きく増やすチャンスのある制度だが、ここまでに紹介した他の“得する年金”と同じく、自ら動かなければ、その恩恵には与れない。
付加年金の場合、加入希望者は自治体の窓口か年金事務所で手続きをする。社会保険労務士の北山茂治氏が指摘する。
「年金手帳、身分証明書、印鑑などを持参して、備え付けの申込用紙に記入して提出するだけです」