2014年の株式市場で注目すべきテーマは何か。グローバルリンクアドバイザーズ代表取締役・戸松信博氏は、日本株上昇を牽引する有力テーマとして、不動産、カジノ、3Dプリンタの3つを挙げる。以下、戸松氏の解説。
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【不動産】
米国が金融緩和縮小路線に転じるのとは対照的に、日銀の異次元金融緩和が存在感を増すのは確実視される。より高い利回りを求めて株式市場はもちろん、不動産にも大量の資金が流入してさらなる不動産価格の上昇が期待される。
そうしたなか、不動産業界には、銀行の融資拡大による追い風に加え、2014年4月に予定される消費増税前の駆け込み需要、その後の激変緩和措置として導入予定の住宅ローン減税の拡充、さらには2020年の東京五輪開催に向けて道路などのインフラ整備といった政策の後押しが大いに期待できる。
【カジノ】
2014年の通常国会で「IR(統合型リゾート)推進法案」、いわゆる「カジノ法案」が成立する見込みで、すでにそれを見越して米国の大手カジノ運営各社が来日するなど活況を呈しつつある。
ギャンブルというネガティブな側面がつきまとい、その経済効果は低く見積もられがちだが、「カジノ立国」を推進したマカオの1人当たりGDP(国内総生産)が日本を上回っているように、一時的なイベントである東京五輪を上回る公算が大きい。
【3Dプリンタ】
2009年に工業用3Dプリンタを生産する米企業の特許が切れたのに続き、2014年2月には最も機能的とされる3Dプリント技術「レーザー焼結法」に関する特許も期限切れとなる見込み。これは、粉末状の材料にレーザー光線を当てて焼結させる方法で、3Dプリンタで利用すれば複雑な造形も容易に作成できるようになる。
これを機に低価格化が一気に進み、オフィスだけでなく、家庭などにも爆発的に普及する可能性が高まっており、世界的に注目されるテーマとなるだろう。
※マネーポスト2014年新春号