田代尚機のチャイナ・リサーチ

米中貿易協議ほぼ合意か 制裁関税撤回で株高トレンドへ

トランプ大統領は「真の合意に近づいた」と発言(Getty Images)

 中国株が上昇基調に転じている。2月18日の上海総合指数は2.7%高。1月4日の場中で約4年1か月振りとなる2440.91ポイントの安値を付けた後、切り返し、春節休暇明けの2月11日以降急騰、この日の終値は2754.36ポイントで、終値ベースで昨年9月28日以来の高値を記録した。

 小型株の動きを示す創業板指数は4.1%高、大型株の動きを示す上海50指数は2.6%高と全面高の展開。セクター指数(同花順)の動きをみると、証券が5.6%高、保険・その他金融が5.0%高、半導体・部品が5.3%高、電子部品が5.1%高、通信設備が4.1%高となった。投資家は相場の先行きに楽観的となり、証券、保険関連を買い、米中貿易戦争の緩和、終結期待でハイテク関連を買っている。

 18日の中国本土市場の売買代金は5477億元(8兆9275億円、1元=16.3円で計算、以下同様)で前週末と比べ31%増加した。ちなみに、これは東証1、2部、ジャスダック合計の4.2倍の規模となっている。

 海外投資家による香港取引所を通じた上海A株、深センA株の買い越しは2月18日現在、いずれも1月23日以降、14営業日連続でプラスとなっている。

 新華社は2月15日夕方、「習近平国家主席はライトハイザー通商代表、ムニューシン財務長官と会見した。14日、15日に行われた閣僚級貿易協議は“重要な段階的な進展を得た”」と発表している。ただし、協議の最終決着は今週に持ち越されており、場所を北京からワシントンに移し、再開される。

 もし、習近平国家主席がアメリカの閣僚と会見した後、協議が上手くいかないようなことになれば、面子を潰すことになる。逆に言えば、この段階で会見を許すということは、協議はほぼ合意に至っているとも考えられる。一方、トランプ大統領は15日、協議について「真の合意に近づいた」と発言している。3月2日から追加関税率引き上げが延期される可能性が高く、また、一気に制裁関税撤回の可能性も見えてきた。

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