かつて、占いを真剣に信じる人は占い師に対面で鑑定してもらい、星占いなどで今週の運勢を知りたい人は雑誌などの占い記事を読む程度だった。そんな常識を変え始めたのが、インターネットの普及とともに広がったネット占いだ。
例えばウェブコンテンツでも無料占いは多くあり、氏名・生年月日の入力で簡単な運勢がわかる。
もっと深掘りしたい場合は、500円程度からの有料領域に入ると、より詳しい鑑定結果が出てくる。占いサイトや占いアプリでも、無料占いから入って有料占いに進む仕組みはほぼ同じだ。手相占いやタロット占いも、非対面でも問題ないレベルへと進化している。
「以前は対面でないと無理と思われていましたが、手相ならスマホで手のひらの写真を撮って送れば、手相プログラミングに基づいた鑑定で下手な占い師よりよっぽどしっかり視てもらえるんです。タロット占いも、PCならマウスで、スマホなら指先で、それぞれ自由にシャッフルしてカードを選べるようになったので、専用に占ってもらった感や偶然性が以前よりアップしましたね」とは、休憩の合間にしばしば占いサイトを利用するという会社員(不動産会社勤務・26才)の声だ。
占術は、西洋占星術、マヤ暦、インド占星術、サビアン占星術、タロット占いなどから、四柱推命、九星気学、紫微斗数、易まで枚挙にいとまがないが、現在のネット占いを大別すると、「占いコンテンツ&アプリ」「電話占い」「チャット占い」「メール占い」の4スタイルに分類できる。
このうち、「占いコンテンツ&アプリ」は、有名占い師の特徴や占術を反映してプログラミングされたデジタルコンテンツで、自動的に人気鑑定が手軽に体験できるシステムだ。
「実を言うと、占い師ひとりのデジタルコンテンツを立ち上げるには、占術や言葉遣いの特徴を踏まえたコンテンツ作りに最低6か月間の準備期間を要します。写真もおどろおどろしいイメージはなく、最近は親しみやすさと神秘性が共存するイメージで撮り下ろしています」(メディア工房・占い事業部の担当者)。占いサイトを作る側にも、こうした苦労や工夫があるわけだ。