要介護認定を受け、介護保険サービスを利用する場合、利用者の負担は実際にかかった費用の1割(一定以上の所得がある場合は2割または3割)だ。ただし、要介護認定の度合いによって支給には限度があるため、親の状況に合わせて、利用する介護サービスを取捨選択する必要がある。
介護保険が適用されるサービスは多岐にわたる一方、あくまで「日常生活を送る上での支援」や「自立を助けるための支援」に最低限必要な行為であるため、その適用範囲は明確だ。ケアタウン総合研究所代表の高室成幸氏が話す。
「たとえば訪問介護では、介護を受ける親の部屋は掃除してくれますが、床のワックスがけといった“普段の掃除”を逸脱したサービスはしてもらえません。窓から庭が見えても、草木の水やりはやりません。また、犬や猫などのペットの餌やりやトイレシートなどの交換もしません。
家族が同居する場合は、要介護者の親が日常的に使用していても、トイレや浴室、廊下や玄関などの掃除も認められていません。