現在、公開中の映画『翔んで埼玉』が話題だ。公開初週で観客動員数トップ(興行通信社調べ)となり、2週目以降も絶好調で異例のヒットを記録している。
映画では埼玉県民が東京都民から「東京に入るには通行手形がいる」「そこらへんの草でも食わせておけ!」と虐げられるなど、とにかく“埼玉ディスり”が満載。そうした内容にもかかわらず、埼玉県民は怒るどころか好意的に受けて止めているようだ。ネットでは「自虐ネタ満載で笑った」「あるあるネタ満載で素晴らしい」など、絶賛する声であふれている。
そんな“埼玉フィーバー”に沸く中、共感とともに羨望の眼差しを向けるのは、埼玉・草加市と隣接し、東京都の最北端に位置する足立区の住民たちだ。
「埼玉県民の友人と見に行ったんですが、笑うツボが一緒のところが多かった。なんだか、昔馴染みの仲間の実力が認められて、一気に出世してしまったようで、嬉しくもあり羨ましくもあります」
そう語るのは、生まれも育ちも足立区で生粋の足立区民だというメーカー勤務の30代男性・Aさん。“埼玉県あるある”に、なぜ足立区民が共感することができたのか。Aさんは「足立区と埼玉との関係性」を挙げる。
「足立区は北千住が栄えていますが、それ以外は正直パッとしない印象です。特に草加市寄りの住民の多くは、車や自転車で川口や草加に行って買い物する機会が多い。埼玉では有名なスーパーのロヂャースやヤオコーも行きますし、足を延ばして、埼玉在住の友人と浦和や大宮でよく遊んだりもします。自然と埼玉の話題が耳に入るのはもちろん、足立区民は他区民からよくイジられるので、もともと自虐的だったりする。埼玉県民と少なからず性質も似ていると思います」