家計

年金受取口座、あえてネット銀行を選ぶメリットは?

ATMの引き出し手数料も考えて年金受取口座を選びたい

ATMの引き出し手数料も考えて年金受取口座を選びたい

 老後資金の柱である年金。日常の生活資金として使う場合、現役時代の口座からの変更を検討すべきだという。ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏がいう。

「リタイアすると、働いていた頃と生活範囲は一気に変わります。現役の時は、自宅近く以外でも、勤務先や出先で必要になったときにすぐATMが利用できる都市銀行は便利でしたが、リタイア後は地元の信金など支店が1つしかないような金融機関でも問題ないケースが多いかもしれません」

 その際のポイントとして「手数料」を忘れてはいけない。

「年金受取口座に設定すると、ATMの引出手数料が無料になる金融機関があります。現在の普通預金の金利では100万円預けても利息は年80円ほどですから、たった1回の引出手数料で利息が吹き飛んでしまうほど。コンビニのATMで引き出しても手数料無料の口座を選ぶといい」(同前)

 年金を元手に投資を考えている人はネット銀行という選択肢もある。現在、年金の受取口座として指定できるのはソニー銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行、イオン銀行、新生銀行の5行だ。

「ネット証券会社と紐づいたネット銀行の口座なら、投資の際に証券口座への資金移動が容易です。さらに、手数料が無料だったり、金利が上乗せされるなどのサービスもあります」(同前)

 年金の受給開始年齢が近づくと、手元に「年金請求書」が届く。これに必要事項と振込口座を記入して年金機構に届ける。そうした手続きを始めるまでに、「どの口座で受け取るとお得か」をじっくり考えておくことだ。

 よりお得な口座を選べば、多くの「果実」を得られる。

※週刊ポスト2019年4月5日号

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