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【最新金融用語解説】国際会計基準(IFRS):日本基準との違いは?

近年、企業決算などで「国際会計基準(IFRS、International Financial Reporting Standardsの略、イファース)」というキーワードが聞かれることが多くなった。これは国際的な企業の会計基準のひとつで、ロンドンの国際会計基準審議会が世界共通の会計基準を目指して作成したものだ。

IFRSは2005年からEU(欧州連合)の上場企業に適用され、100か国以上で採用されている。日本にはもともと独自の会計ルールがあり、国内企業の多くはこの日本基準を採用しているが、2010年3月期から任意でIFRSを使えるようになった。

アメリカは独自の会計基準を持っておりIFRSは採用していないが、IFRSは米国会計基準と共通点が多いためアメリカの投資家にも読みやすいとされる。

近年は新たにIFRSに則った決算書を開示する企業が増えており、すでに商社や医薬品、製造業などを中心に時価総額の大きい企業約100社が導入している。IFRSを採用することで売買代金の半分以上を占める外国人投資家への説明がしやすくなるうえ、海外の同業他社と比較が容易になり投資を呼び込むことが期待できる。また、世界中に拠点を持つグローバル企業にとっては、共通の基準を使うことで経営管理がしやすくなるといったメリットもある。

IFRSと日本基準では売上高や費用などの算定方法にさまざまな違いがあるので注意したい。たとえば、他社の合併や買収で発生した「のれん」(買収で支払った投資額と買収先の純資産の差額)の処理は日本基準では20年以内の償却となっているが、IFRSではそもそも償却をしないことになっている。このため、企業買収を行った企業がIFRSを導入すると、大幅増益になることがある。

逆にリストラ費用は日本基準では特別損失になるが、IFRSでは営業費用に計上するため、本業での利益を表す営業利益を減らすことになる。

いずれにせよ、会計基準の変更で決算書の上での利益額が変わっても、企業の実力は変わらないことは覚えておきたい。

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