投資情報会社・フィスコが、株式市場の3月25日~3月29日の動きを振り返りつつ、4月1日~4月5日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落した。週間ベースでは3週ぶりの下げに転じた。週初25日の日経平均は3営業日ぶり急反落し、下落率は3%と今年最大になった。欧米の経済指標の悪化や米長短金利の逆転を受け、世界経済の減速懸念が広がり22日のNYダウが急落したことを受けて、東京市場は全面安商状となった。為替も1ドル=110円を割り込む場面があり、日経平均は終値で2月15日以来の21000円割れを見た。
3月期末の権利付き最終売買日となった26日は、配当取りの買いや配当再投資に絡んだ思惑からの買いに加えて、前日の急落を受けた自律反発狙いの買いが加わり、日経平均は反発に転じ21000円台を回復した。25日のNYダウが小反発したことも安心感につながった。東証1部の出来高は17億4104万株に膨らみ今年最大に膨らんだ。個別では、家庭用ゲーム機の新モデル2種を今夏にも発表すると報じられた任天堂<7974>の上昇が目立った。長期金利の低下一服を受けて26日のNYダウは続伸したものの、27日の日経平均は前日比49.66円安と反落した。3月期末の権利落ち日となったこの日の日経平均の配当落ち分171円程度が指数を押し下げる形となった。一時は前日比185.87円安となる場面もあったが、中国株高や日銀のETF(上場投資信託)買いが支えとなり下げ渋った。
長期金利低下に伴って長短金利の逆転が更に広がるとの警戒感から3日ぶりに反落したNYダウを受けて28日の日経平均は大幅続落となった。トルコ政府への信用不安が再燃するなかで、海外半導体株が軒並み安となった流れから東京市場もハイテク株中心に売りが先行した。為替市場でも円高進行が進み、中国市場も軟調な動きとなったことが嫌気された。米中貿易交渉や英国の欧州連合(EU)離脱の動向を見極めたいとのムードも強く買いの手は限られた。28日のNYダウは10-12月期GDP確定値が予想を下振れ一時下落する場面もあったが、米中協議進展への期待から反発した。この流れを受けて29日の日経平均は172.05円高の21205.81円と3日ぶりに反発した。個別では英アストラゼネカと抗がん剤で提携した第一三共<4568>がストップ高となり医薬品株人気をリードした。なお、日経平均は昨年3月末の21454.30円を下回る年度末となった。
今週の日経平均は、強弱感が対立するなかもみ合う展開となりそうだ。世界的な景気の不透明感が強まる中で、日米ともに1日に3月調査の日銀短観、米2月小売売上高など経済指標の発表が相次ぎ、相場の撹乱要素となりそうだ。5日の米3月雇用統計は週末5日の東京市場が大引けた後に判明するため模様眺め要因として働く可能性もある。