時代は平成から令和へと変わった。今年のゴールデンウィークは10連休となっているため、その間の為替相場の急変動を警戒するトレーダーも少なくない。そうした中で、ドル円相場は、あまり方向感が出ない展開が続いている。FX(外国為替証拠金取引)などのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが、直近のドル円相場の値動きのポイントや、今後の見通しについて解説する。
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今回はドル円の直近の推移について解説したいと思います。方向感としては、中長期的に上方向で見ていることは以前から変わっておりません。
最近、ドル円の動きは111円から112円越えまで上昇していますが、そこから上値が重く推移しています。日経平均は4月中旬から22,000円の節目を突破、米国債金利も10年金利は2.45%付近まで低下したあと2.60%手前まで上昇していますが、ドル円は112円付近をレジスタンスとしてその動きについていけません。
これはやはり、3月5日につけた112.15円というラインが重要な節目となっているのが、チャートから明確に理解できる動きとなっています。
ドル円のフローを把握するための売買比率をチェックすると、ドル円の売りポジがかなり大きくなっています。逆に買いポジションのフローが出てきていても、この解消フローも逃げ足が速く、売りポジションが恒常的に積み上がっている状態が、続いている状況です。
投資家の目線はドル円を下落トレンドとして見ている様子で、これだけ売りポジションがあると、少しでも下がる局面では、利益確定の買い戻しが淡々と入る状態が続いています。上値は重いものの、この売りポジションがあることから、少し下落すると決済のために買い戻されるため下落もしづらく、綱引き状態が続いているということです。
現在のこの動きを心理的な側面を踏まえて考えると、個人投資家の多くが「何かあるんじゃないか?」と警戒しているゴールデンウィーク期間を過ぎて大幅な下落がなかった場合は、113円を目指して動いていくと考えてもおかしくなさそうです。