様々なメディアが「得する年金」「揉めない相続」「死後の手続き」などについて特集しているが、実はそれらを個別に見ているだけでは、資産を守ることはできない。ファイナンシャルプランナーの森田悦子氏が指摘する。
「本当に大切なのは、医療や介護、年金といった“ジャンル”を超えて『いつ何を手続きするか』を把握しておくことです。特定のタイミングでしか受けられない給付や、逆に時期を誤ると罰金が科せられるものもある。それゆえ、事前に手続きの流れやタイミングを家族と一緒に整理しておくことが重要なのです」
ここでは、親子で、夫婦で知っておきたい「死んだ後の手続き」について、いつ、どこで、何をやるか、時系列で紹介しよう。
●7日以内
【葬儀】「死亡届」の提出
(「死亡届」「死亡診断書」→故人の死亡地、本籍地、ないし届出人所在地の役所へ)
7日以内に出さないと罰金の可能性も。提出しないと「火葬許可証」がもらえず、葬式の準備ができない。
【葬儀】「埋葬許可証」の交付を受ける
(「火葬許可証」→火葬場へ)
納骨にあたって必要となるので、紛失しないように注意が必要。
●14日以内
【介護保険】【健康保険】「健康保険の資格喪失届」「介護保険資格喪失届」の提出
(「介護保険資格喪失届」→市区町村役場。健康保険は加入していた保険によって異なる)
本人の死後でも「高額介護サービス費」と「高額療養費」で戻ってくるお金は家族(相続人)がもらえる。ただし「申請書」は、高額介護サービス費の場合、利用の3か月後、高額療養費の場合、2か月後に自治体から送られてくる。戻ってくるお金は相続財産に含まれる。