新入社員が入社し、教育係に任命される人もいるかもしれない。とりわけ、それまで一番下っ端だった社員にとっては、初めて先輩の立場になるだけに緊張や責任を感じるもの。自分が新人時代に言われて理不尽に感じたり、不快に感じた言葉を思い出したりすると、“お手本”が見つかるかもしれない。
エヌ・ティ・ティ・ソルマーレの調査によれば、部下が選ぶ理想の上司像は、「部下の気持ちが理解できる」(71.1%)、「困った時に支援してくれる」(68.2%)が上位で、いかに、部下の気持ちをふまえない上司が多いかがうかがえる。そこで若手社会人たちに、実際に新人時代、どんな言葉にプレッシャーや不満を覚えたのかを聞いた。
IT企業に勤務する20代男性・Aさんは、「前にも言ったよね?」「一度、教えたよね?」「何でわからないの?」といった言葉が苦手だという。
「新卒で前の会社に入ったとき、入社1か月目あたりに言われた言葉です。先輩の言葉をメモして、その日の帰りに復習していたんですが……。さすがに一度だけでは理解できないこともあるわけで、そんな言葉をかけられると萎縮してしまいます。しかも、メモを取っていると、『これメモ取る意味ある?』と怒鳴られたことも。メモを取らないと『メモ取っていないけど、覚えてられるんだね?』と言われるし、いちいち高圧的に感じて憂鬱になりました」(Aさん)
その後転職し、現在は後輩を指導する立場にあるというAさんは、その経験を反面教師として、「〇〇だよね」というような言葉は使わず、和やかな雰囲気を重視するという。
「教えて理解させることはできないのは先輩の責任だと思っています。だから、『何度でも何でも聞いて』と言って、後輩が話しやすい雰囲気をつくっておくことが大切だなと思います。敬語が思わずタメ語になったりしたら、少しでも打ち解けられた証拠かなと。度が過ぎたら、TPO的なものは教えますが、“上から目線”よりも“同じ視点”に立ちたいと感じています」(Aさん)